Synology DS223jは、買って電源を入れただけでは使えません。最低でも・・・
・・・を行わないと使えません。加えて、事実上必須なのが・・・
- ユーザーの作成
- 共有フォルダの作成(←この記事では、ここを説明)
です。なぜかと言うと、NASの使い方は色々なのですが、共有フォルダは大抵使うからです。共有フォルダとは、ネットワーク経由でアクセスできるフォルダのことです。これを作らないと、PCやスマホからNASへファイルを置くことができないのです。
「それじゃNASの意味ないじゃん。」
その通りです。なので、共有フォルダの設定は事実上必須なのです。ただし、共有フォルダを作成する前に、ユーザー(ユーザーアカウントとも言う)を作成しておくことをお勧めします。というのは、NASを使うにはユーザー名とパスワードが必要で、誰がどのパスワードを設定たのかはユーザーに設定されているからなのです。
更に言うと、共有フォルダを作ると、ネットワーク経由でファイルを置く場所が出来上がるのですが。単に置き場所を作っただけではダメで、アクセス権を設定しないと共有フォルダを使えないです。アクセス権とは、ファイルやフォルダを使うための権利のことです。
いくらネットワーク経由で誰でもどこからでもアクセスできるからと言って、本当に誰でもアクセスできた方がいいとは限りません。
- ここはみんなで見る写真が置いてあるから、家族全員がアクセスできるようにしたい
- ここは仕事で使うファイルが置いてあるから、他の人からはアクセスできないようにしたい
・・・と、共有フォルダの利用目的や、置いてあるファイルによっては、共有フォルダのファイルを読んだり、変更したりすることができる人を制限した方がいいケースがあります。でもって、NASはセキュリティ上、ユーザーやグループにアクセス権を与えないと、誰もフォルダにファイルを読んだり書いたりできないようになっているのです。
共有フォルダを作成するには、[コントロールパネル]から[共有フォルダ]を選びます。
すると、現在設定されている共有フォルダが表示されます。
まだ共有フォルダの設定をしていないのですが、すでにhomesという共有フォルダがあります。homesはちょっと特殊な共有フォルダでして、ユーザーを作るたびに、そのユーザー名のフォルダができあがります。どういうことかと言いますと、homesは各ユーザーが自分で使うファイルを置く場所なのです。なので、homesの下の各フォルダには、そのユーザー以外は開くことができないよう、アクセス権が設定されています。
もしも・・・
- 家族全員で使うファイルを置く場所が欲しい
- 会社で使っている場合で、ある部署の社員全員が使うファイルを置く場所が欲しい
- ファイルの種類別にファイルを置く場所を作りたい
・・・と言った場合は、新たに共有フォルダを作成します。
共有フォルダを作成するときは、[作成▼]→[作成]の順にクリックします。すると、共有フォルダの作成ウィザードが起動します。
最初に、共有フォルダの名前を設定します。名前は何でもいいですが、漢字は使わないことをおすすめします。
ごみ箱を使うときは、[ごみ箱を有効にする]をチェックします。ジーン吉本の場合、ここにはファイルのバックアップを置いてあるので、古いバックアップを削除したときはゴミ箱に入れずに即削除したい・・・などの事情がある場合を除いて、このチェックを入れています。
設定したら、[次へ]をクリックします。
次に、フォルダを暗号化するかどうかを聞かれます。ここで暗号化しておくと、仮にNASやHDDを盗まれたとしても、中のファイルを読めなくなります。ただし、暗号化したからと言って、ファイルを開いたり保存したりした時、ネットワークを流れるデータを暗号化するわけではありません。また、暗号化するとファイルを読み書きする際の、NASへの負担が重くなります。
会社で使っているNASで、機密情報を置いている場合を除いて、[スキップ]でいいでしょう。[次へ]をクリックします。
次に、詳細設定の画面が表示されます。
[高度なデータ整合性のためにデータチェックサムを有効化]を入れると、ファイルが壊れていないかどうかをチェックするためのデータを付加して、もし壊れていれば自動復旧してくれます。
ファイルを常に開くような使い方、例えば・・・
- この共有フォルダに、データベースファイルを置く
- この共有フォルダに、仮想マシンの仮想ディスクファイルを置く
- この共有フォルダに、Surveillance Station記録を保存する
- このNASを、Active Backup for Businessエージェントでバックアップする
・・・といった使い方をしている方を除いて、チェックしておきましょう。(そもそも↑この意味が分からない方も、チェックしておきましょう)
[次へ]をクリックします。
ここまでの設定を確認して、[次へ]をクリックします。
次に、アクセス権を設定します。
ユーザー個別にアクセス権を設定することもできますが、複数のユーザーにまとめて設定するときは、グループを作っておくと便利です。
左上のリストボックスを[ローカルグループ]にすると、グループにアクセス権を与えることができます。まだグループを作っていなくても、すでに3つのグループがあります。
- administrator NASの管理者アカウントが所属するグループ
- http NASをWebサーバーにしたとき、Webでアクセスをしたユーザーを表すグループ
- users NASの全ユーザー(guestを除く)が所属するグループ
です。ジーン吉本が使うのは、例えば家族全員がアクセスできる共有フォルダを作る場合、家族1人1人にアクセス権を与えるのではなく、usersグループにアクセス権を与えます。すると、全員がアクセスできるというわけです。
なお、グループとユーザーに異なるアクセス権が付いていた場合、優先順位は・・・
アクセス権なし > 読み取り/書き込み > 読み取り専用
です。
では、WindowsでNASの共有フォルダへファイルを置いたり、ファイルを見たりするときにはどうするのか。その前に確認するのが、Web管理画面の右下です。
ここに書いてあるサーバー名と、LANの横に書いてある数字(IPアドレス)を覚えておきます。
一つ目の方法は、エクスプローラーを開いて、ネットワークからたどる方法です。エクスプローラーの左下、[ネットワーク]の下に、先ほど確認したサーバー名が表示されているかと思います。
このサーバーをクリックすると、NASの共有フォルダが表示されます。
この方法でダメだった場合は、UNCを指定します。UNCの書き方は、
\\サーバー名またはIPアドレス\共有フォルダ名
です。IPアドレスは、Webの管理画面の右下の、[LAN]と書いた横に表示されています。もしここに、172.16.0.1と表示されていて、publicという共有フォルダを開く場合は、スタートボタンを右クリックして、[ファイル名を指定して実行]をクリックした後・・・
・・・と入力して、[OK]をクリックします。
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